現役引退を決断したマートン。阪神での6年間のプレーに感謝し、サンケイスポーツにメッセージを送ってくれた 虎党のみなさん、ありがとう! 2010年から6年間、阪神でプレーしたマット・マートン外野手(36)が現役引退を決断したことが13日、分かった。今後は古巣カブスの競技運営部門補佐に就任する。M砲はサンケイスポーツの取材にメールで返答し、阪神での経験を「幸運」だったと振り返り、メッセージを送ってくれた。
バットを置いた。目をつむれば、浮かんでくるのはタテジマを着て、カクテル光線を浴びた日々…。あの大歓声。素晴らしい甲子園球場。猛虎の歴史に残る名助っ人マートンがユニホームを脱ぐ決断をした。
「阪神での6年間は本当に素晴らしい時間だった。現役のことを思い出すとき、いつも真っ先に蘇ってくるのは、阪神でプレーしているときのことだ」
阪神を2015年に退団し、16年はカブスとマイナー契約を結び、3Aで76試合、打率・314をマークしたが、メジャーには昇格できず…。昨季はタイガースとマイナー契約も、4月にリリースされた。メジャーの壁の高さを感じた。
「体はまだ動くし、闘志もあるが、総合的に考えて次に進むとき。カブスの編成アシスタントの仕事を受けることにした。(現役の)機会は、もうないようだ」
自問自答を繰り返す中、ここが引き際だと決断。古巣カブスの競技運営部門補佐に就任することになった。
2010年に阪神入団。いきなりシーズン214安打を放ち、1994年にイチロー(オリックス)がマークしたシーズン210安打のプロ野球記録(当時、現在は西武・秋山の216安打=16年)を塗り替えた。首位打者1度、最多安打3度。グラウンドでの数字だけではなく、日本語の習得にも熱心で、お立ち台での「カミサマハ、ワタシノチカラデス」のセリフは虎党の合い言葉に。ファンの心をつかんだ。
「いろんな人と、いい関係を築くことができた。ファンからのサポートを受けることもできた。そして、将来にいかせるような、いろんなことを学ぶことができた。そういう意味でも、阪神でプレーできたのは私にとって幸運でもあった。また、どこかで会えるといいね。そのときを楽しみにしています。ガンバリマショウ」
最後は日本語で締めた。持ち前のアグレッシブな姿勢で、人生の次のステージに進んでいく。 (阿部祐亮)
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