阪神は、投手陣はしっかりしている。ところが野手の方は、野球にとって非常に大事な捕手、二遊間というセンターラインのレギュラーが、見えてこない。特に二遊間は名前がたくさん出ていますが、誰が、どこを守るのかが、まったくわかりません。
競争はもちろん必要。ただ候補が多すぎます。いろいろな選手に、いろいろなポジションを守らせて、そこから、いい選手をあてはめていく…。競争といえば聞こえはいいですが、そんなに甘くはありません。育成は、そんな簡単にできるものではないのですから。
阪神に限らず12球団にいえることですが、いまは監督、コーチに「この男を何とかする!」という信念を、なかなか感じません。だから中途半端に見える。今年はこいつと心中する-。そういう覚悟、根気が必要。競争という名のとっかえひっかえでは、選手は育ちません。
だからこそ、指導者の「眼力」が問われます。早い段階で「この選手を一人前にする」と能力を見極め、徹底して鍛え上げなければいけません。特に二遊間はキャンプからコンビを組んで呼吸を合わせることが必要。シーズン中に急に組んで、うまくいくポジションではありません。レギュラーをとる力のある選手がいない…のではなく、見極めて、作る。それが教える側の責任です。
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