11月26日、流経大-東海大の前半 めくれ上がった芝を直す選手たち=秩父宮ラグビー場 【ノーサイドの精神】若かりし頃に、ラグビーチームで豪州遠征をしたことがある。いわゆる草ラグビーで、道楽者の集まりだ。受け入れたシドニー近郊の地域協会が、驚くべき強力なチームを用意してくれたおかげで、初戦は100点ゲームで大敗に終わった。
その夜のアフターマッチファンクションでのことだ。「アフタ-」は、ラグビーでは欠かせない試合後の両チームによる、いわば飲み会だ。この会であいさつに立った地域協会会長のコメントに感心させられた。
「ホスト協会の代表として日本チームに謝罪をしたい。実力差のあるチーム同士のマッチメークを組んでしまった責任は、ホスト協会会長の私にある」
もちろん、本当の責任は弱いわれわれにあった。社交辞令のコメントではあるが、ラグビー協会会長は、こういうところでも責任を負うという自負心を感じたものだ。
ではマッチメークではないが、試合会場の責任は誰が負うのだろうか。日本ラグビーの聖地・秩父宮ラグビー場は、現在は国立競技場の一部だ。その秩父宮の芝生が、大変なことになっている。11月23日の早慶戦前までに張り替えが行われたのだが、スクラムを組む度に、大量の芝がめくれ上がり、再度スクラムが組めない状況だ。
モールやラックなどの密集戦も同様で、芝がめくれ上がる度に7、8人の整備担当者が芝生を補修している。日本ラグビー協会では、最悪の場合は会場を変更することも検討されたが、今週もさらに芝生の張り直しなどを実施して乗り切る方向だ。
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