日馬富士は暴行を止めに入った白鵬をも突き飛ばし、鶴竜には「おまえがしっかり指導しないからだ」と怒鳴った。同席者は「横綱の怒りはすさまじく、本当に怖かった。誰も止められなかった」と打ち明けた。
相撲界関係者の間では、日馬富士の酒癖の悪さは何年も前から知られていた。ある40代の親方は「あの横綱は酔うと手が付けられなくなると聞いていた。でもまさかこんなことになるとは…」と驚いていた。
貴ノ岩は11月に入って一時入院し、「右中頭蓋底骨折」などと診断。九州場所は初日から休場していた。師匠の貴乃花親方は10月末に鳥取県警へ被害届を提出し、取り下げる意思はないとの強硬姿勢を示している。既に県警は捜査を開始しており、刑事事件に発展すれば日馬富士は引退に追い込まれ、最悪協会から解雇される可能性がある。
7年前には元横綱朝青龍が一般人に暴行し、自ら引退を表明した前例もあり、横綱審議委員会の北村正任委員長は「大相撲全体に対する評価にも大きく影響する。協会の厳しい処置を求めることになるだろう」と厳罰を求めるコメントを発表。日本相撲協会の危機管理委員会が宴席の参加者も含めて事情を聴く方針だ。
九州場所としては平成8年以来の15日間大入りが決定的で、今年の相撲界は21年ぶりに年6場所90日間全てで満員御礼が見込まれる。その盛況のなか、品格が求められる横綱が起こした不祥事。酒に酔って大暴れした代償は大きい。
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