順風に帆を上げる土俵に、激震が走る。現役横綱による、極めて異例の暴力事件が表面化した。9月の秋場所で9度目の優勝を果たした日馬富士が10月の秋巡業中、母国モンゴル人力士らが集まった宴席で貴ノ岩に暴行を加え、大けがをさせていた。
トラブルは10月26日に巡業が行われた鳥取県内での酒席で発生。白鵬、鶴竜の両横綱や関脇照ノ富士らモンゴル勢に、日本人力士や関係者も含め10人前後がいた。同席者や関係者の話を総合すると、貴ノ岩が先輩力士を前に「もうあなたたちの時代ではない。これからは自分たちが…」と発言したことが端緒となり、日馬富士が激高した。
その時、貴ノ岩のスマートフォンが鳴り、操作しようとした瞬間、日馬富士がテーブルにあるビール瓶で貴ノ岩の頭部を思い切り殴った。さらに「人が話をしているときに…」などと言いながら、流血して倒れた相手にのし掛かるようにしながら素手で殴打を繰り返した。
同席者は「周りが気付かないほどの速さで『ゴーン!』という大きな音が聞こえた。20〜30発は手で殴っていた。貴ノ岩は両手で防ぎながら殴られ続けていた」と証言。日馬富士の同部屋の後輩、照ノ富士も数発食らったという。
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