阪神秋季キャンプ(3日、安芸)アァ〜ッ! 植田海(21)、大山悠輔(22)の両内野手と、板山祐太郎外野手(23)が守備力向上を目的に下半身強化トレーニングに臨んだ。藤本敦士2軍守備走塁コーチ(40)らの指導のもと、あまりのキツさに思わず声が…。だが、これも今季、虎の足を引っ張ったミスの撲滅のため。モーレツしごきキャンプで足腰をいじめ抜いた。
太陽が沈み始めたサブグラウンドに悲痛な声が響き渡る。あまりのキツさに植田が、大山が、板山が、棒のように地面に突っ伏した。
「球際に強くなるというのもあるし、この時期なんだから下半身を強化しないといけない。楽して球際の難しい打球は捕れないということだよ」
藤本2軍守備走塁コーチが意図を明かした。
まずは大山と板山が横に並び、長さ約1・5メートルの棒を2人で持つ。そのままワンツー・スリーのかけ声でスクワットしながらグラウンドを端から端まで移動。棒でつながれているため、どちらも楽できないという地獄のメニューだ。
さらに植田が合流し、3人で棒を持って中腰の捕球体勢で制止。一見地味なトレーニングだが、これも互いに棒を持ちあっているため、立ち上がることができない。そもそも平田チーフ兼守備走塁コーチや久慈内野守備走塁コーチらに取り囲まれ、手抜きなんてもってのほか。3人は顔をしかめ、思わず声をあげた。
植田は足がつって、途中でトレーナーのお世話に。阪神のシーズン失策数は昨季のリーグワースト97から今季は82まで減ったものの、ワーストのヤクルト(86)と差はなかった。引き続き守備が課題であることは明白。内野も守れる板山を含めて内野陣から-と1、2軍コーチがタッグを組み、早速メスを入れた。
植田は「キツいッス。(足がつったのは)あれだけの影響じゃないですけど、全部があのメニューで(足に)きた」と疲れた表情で振り返った。
秋季キャンプはまだ2日目。とことん振り、走り、そしてしゃがむ。猛虎となるために、あらゆる部分を鍛えまくる。 (竹村岳)
★小グラブ 昨年の秋季練習で、高山が内野手用のグラブで守備練習を行った。中村外野守備走塁コーチは「しっかりと下半身から入らないと(小さなグラブでは)難しいから」と守備力向上を狙いにあげた。
★短尺バット これも昨年の秋季練習で、北條が長さ75センチのバットで打撃練習。金本監督は「短いバットは扱いやすいけど、しなりにくい。いかにしならすための体の使い方を覚えるために使わせた」と明かした。
★長尺バット 今秋の安芸キャンプ初日で長さ91センチ、重さ1・1キロのバットを野手に使わせた。金本監督は「長いバットはバランスが必要。体をうまく使わないとうまく振れない」と説明。江越は「あそこまで長いのは初めて。結構きついッス」と四苦八苦した。
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