では、いただいていきます…と言ったかどうか。金本監督(右)のご褒美は三木編集委員(左)!? 「ウフフ…」
午前10時、甲子園のグラウンドでトラ番キャップ阿部祐亮がやや真剣な面持ちで待ち受けていると、金本監督のやたらでかい含み笑いの声が落ちてきた。声の方をみると監督がニッコニコなのです。
だから…わがキャップはムムッ、これは油断してはまずいぞと思ったらしい。
「金本監督がこの時間に練習をスタートさせたのは、クライマックスシリーズ(CS)タイムにあわせて身体(細胞)を目覚めさせてかかるというわけですよ。だけどわれわれは…まだ眠いわけ」
話を進める。
ウフフ…という笑顔。続いて金本監督はいうじゃないか。「さて、何にしようかなぁ…」と。
阿部のヤツ、不覚にもまだ気がつかない。何ってなんですか?
「全部、俺が勝ったもんなぁ…」。阿部、まだ気がつかない。え? 何か…。「だから、何にしようかなぁ…」。アッ、そこでやっと気がついた。
説明します。今春の3月28日、阪神は広田神社で坂井信也オーナー、四藤慶一郎球団社長、金本監督に選手、フロント陣が参列して必勝祈願をした。その足で監督は京セラドームでの開幕戦のための練習へ。すぐ高速道路をとって返して鳴尾浜での藤浪晋太郎の投球練習をチェックしたのだ。
そして…その日、阿部が今年もアレをお願いした。ご存じのようにサンスポの名物企画『猛虎のお約束』は高山俊「全試合スタメン出場」、メッセンジャー「最多投球回数」などいろいろ。その真打ちとして、キャップ阿部が金本監督に再び挑戦状(昨年はシーズン終了後の「超変革」アンケートで支持率70%以上というものだったがあっさりクリアで、監督リクエストのゴルフ用品を贈りました)をたたきつけたのです。
「簡単なモノにしてくれよ」と監督はリクエスト。それで阿部は次の3択を提案した。
(1)広島、巨人に勝ち越し。
(2)甲子園で貯金「10」。
(3)チーム打率、本塁打、得点、盗塁で16年を上回る。
すると監督は自ら(3)の「上がり目」を選んだのです。
そうです。今年はチーム打率・249(昨年・245)、本塁打113本(90)、得点589(506)、盗塁70(59)と『お約束』は全部クリアしました!
でもって、そのときに「達成したらサンスポはどんなご褒美をくれるんや?」とニヤリ。
そ、それは…わが社が提案し、金本監督のご希望にできるだけ沿う形になるんですが…。前年、ご提案させていただいたのが…達成すればあのビヤ樽三木建次(現中日担当)を『丸1日、監督の付け人としてサービスさせます』というものでした。それを聞いて監督は顔色をかえて「そ、そ、それだけは断るッ」。でもってゴルフ用品にさせていただきました。今年こそ…ビヤ樽の1日付け人ってのはどうですか? 監督ッ、顔色がすぐれませんが…熱でもあるんですか? 監督ッ…。
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