陸上日本学生対校選手権第2日(9日、福井県営陸上競技場)男子100メートル決勝で桐生祥秀(21)=東洋大=が追い風1・8メートルの条件下、9秒98をマーク。伊東浩司の日本記録を19年ぶりに更新し、日本勢で初めて10秒の壁を破った。
日本男子短距離界の礎を作ったのは、「暁の超特急」と呼ばれた吉岡隆徳だった。1932年ロサンゼルス五輪で6位入賞を果たし、1935年6月には10秒3の世界タイ記録をマークした。
1964年6月、吉岡の指導を受けた飯島秀雄が10秒1を樹立。29年ぶりに日本記録が更新された。1968年メキシコ五輪では、電気掲示で10秒34。飯島はその後、プロ野球ロッテに入団し、代走専門選手として、3年間プレーした。
1975年に国際陸連が電気掲示による記録を公認するようになり、同5月に神野正英が出した10秒48が最初の日本記録となった。1984年3月に飯島の10秒34が日本記録として16年ぶりに公認されたが、同5月に不破弘樹が飯島のタイムに並んだ。
その後は1988年9月に青戸慎司が10秒28、1993年10月に朝原宣治が10秒19、1997年7月には10秒08と10分の1秒の壁を削った。1998年12月には伊東浩司が10秒00をたたきだし、日本人初の9秒台へ、0秒01まで迫った。
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