(セ・パ交流戦、ヤクルト2-3西武、1回戦、西武1勝、2日、神宮)日本生命セ・パ交流戦は2日、各地で6試合が行われ、西武はヤクルト1回戦(神宮)に3-2で逆転勝ちした。先発の菊池雄星投手(25)が6回2失点と好投。1点を追う七回一死二、三塁で代打を送られたが、ミスにつけ込んで逆転に成功し、6勝目が転がり込んできた。元フリーキャスターで夫人の瑠美さん(30)が観戦する中、公式戦初登板の神宮で運を味方につけて白星をつかみ、パ・リーグ防御率1位の座を死守した。
必死の形相で、一塁を目指した。五回二死無走者で打席に立った菊池の当たりは二塁への緩いゴロだったが、全力疾走で内野安打を勝ち取った。
「想像以上にベンチが盛り上がっていた。きょうはいいことがあるかも…。全力でやればきっといいことがある、と思った」
その予感は、大当たりだった。マウンドでは1点リードの三回、坂口に同点打を許し、四回には大引に3号ソロを被弾。追いかける展開になったが、粘り強く、工夫を凝らした。
「真っすぐはコンタクトされていた」と三回以降はスライダー、カーブを有効に使った。バレンティン、雄平に対しては「四球はしようがない」と腹をくくり、内角攻め。三回に150キロの内角直球でバレンティンのバットを折り、遊ゴロに仕留めるなど、3、4番を無安打に抑えて相手の得点源を断ち切った。
七回の打席で代打を送られて交代。その直後、捕逸で同点となり、金子侑の遊ゴロの間に三走・水口が生還して逆転した。「きっといいことがある」という予感通り、ツキを味方にして、6回2失点で6勝目をつかみ取った。
公式戦初登板となった神宮のマウンドは「一生の師匠」と心酔する石井一久氏がヤクルト時代、エースとして君臨した場所だ。「小さい頃、石井さんをテレビ中継で見ていた」と、景色は少年時代から見慣れていた。プロ入り後は2010年から13年の4年間、同じ西武のユニホームを着て背中を追いかけた。石井氏の引退翌年の14年からは背番号16を継承。かつての先輩のように、信頼を集めるようになった。
「エースとして、柱として、負けられないという気持ちで投げていると思う。これ以上ない勝ち方ですね」
辻監督もほほ笑んだ。パ・リーグでただ一人、防御率1点台(1・38)をキープする左腕の存在感は、さらに大きくなった。 (佐藤春佳)