(セ・パ交流戦、ロッテ0-5阪神、2回戦、阪神2勝、31日、ゾゾマリン)
試合前、編集委員上田雅昭はZOZOマリンスタジアムのロッテベンチをのぞいた。
「おう、久しぶりだナ」と伊東勤監督。もちろん指揮官は、なぜ上田が顔をみせたかは百も承知なのだ。
上田は前日の5月30日、球場入りするなり伊東監督を目で追った。みるとコーチ陣と何か難しい顔をして話し合っている。新外国人のサントスが同日に2軍戦に出ていて、さっそく、この選手の起用法などを相談していたから、彼はあえて遠くからそれを見つめていた。
伊東さんはサンスポの専属評論家の時から上田と並んで試合をみながらよく解説個人教授をしてくれた。野村克也氏とはまたひと味違った視点での分析に上田は大いに勉強になった…。
その伊東監督のインサイドワークをもってしても現状のロッテは悲惨なのだ。それは説明するまでもない。そして…2戦目のこの日、やっと上田はロッテベンチを表敬訪問した。
「伊東監督は明るかった…」と上田はいう。だがその明るさが逆に上田の胸にしみる。それをおくびにもだせない指揮官の心理のヒダは阪神というチームの「監督の懊悩(おうのう)」を何度もみてきた上田にとってはわかる。
四回、能見から先頭の大嶺翔が左中間に二塁打。ポッチリと灯がともる。2番荻野が能見の外角球を強引に引っ張り、走者すら進められない打撃(遊ゴロ)をみてスパッと次の回から伊東監督はサントスに切り替えた。しかし七回に初打席が回って…あのWBCで見せたキューバの忍者打法(走りながらヒットを打つ男)はクールな能見にはまるで通用しない。三振。
それを思うと金本知憲は子供たちがここ連日、学校から「よくできました」というテストを嬉々として持って帰ってくるような母の手応えを感じている監督だ。キャップ阿部祐亮はいうのだ。「試合前の練習中も俊介選手をつかまえて監督は『おい盆と正月が一度にきたナ』と声をかけていました。そして『今日は誕生日とXマスやぞ…』とニヤリ。監督はこう続けてましたョ。『そのあとはゴールデンウイークか!』ですって…」。
二回の阪神の先制点は中谷、大和のヒット。それに俊介の四球がゾクリと効いていた。虎の若手、中堅の混声合唱団で満塁を演出し、梅野のタイムリーなどで3点。もうこれで現在の阪神にとっては十分なのである。八回に100球ちょうどで能見を降ろした金本監督は、そのあとベンチで笑顔で能見をねぎらった。
西垣戸理大はこのところダイエットを試みているが、この朝、近くで合宿をしているサッカーの日本代表チームの練習を見たくてあちこち走り回ったが、道に迷って千葉の海岸を汗だくで右往左往した。「でも結局…ちょうどいい減量になりました」と電話の向こうで自虐的なジョーク。
「それもまたプラス思考でいいよなぁ」といったら西垣戸はマジで「そうなんです。カロリーがかなり消化できました」とぬかした。
虎はすべからく前向き…。ロッテは…辛いなぁ。