豊洲市場(江東区)の土壌汚染対策に関する専門家会議が19日開かれ、都は地下水モニタリングの再調査結果を公表した。再調査した29地点のうち26地点から、ベンゼンは最大で飲み水の環境基準の100倍、ヒ素は同3・6倍を検出した。「不検出」が基準のシアンも18地点で検出した。
会議の座長で放送大学和歌山学習センターの平田建正所長は「昨秋に地下水管理システムが稼働したことで、地下水の流れが変わって汚染物質が移動した可能性がある。しばらく経過をみたい」と述べた。
1月の専門家会議で公表した9回目の地下水調査では、1〜8回目までほとんど検出されなかったベンゼンが、最大で基準値の79倍の数値となったため再調査していた。 今後は29地点の調査を継続していくほか、主要施設下に見つかった地下空間の汚染対策などの方法を議論していく。当初6月に見込んでいた都への報告書の提出は、2か月以上遅れる見込み。
会場の築地市場には、日曜日にも関わらず100人ほどの市場関係者らが傍聴。終了後の質疑応答では、「対策ができないならできないと言ってくれ」「東京都はいい加減すぎる」「豊洲の魚を買ってくれると思うか」などの厳しい質問が相次いだ。
この記事をシェアする