「正恩氏の叔父の張成沢氏は金正日総書記から正男氏の面倒を頼むと遺言され、正男氏に『言葉には気をつけろ』と忠告していた。それでも世襲を批判するなど、言いたい放題だったのが狙われた一因だ。マレーシアにいたのは張氏のおいが同国大使をかつて務めており、張氏は正男氏にとっても叔父にあたるため安心できる地だった。しかし張氏が処刑された約1カ月後の14年1月に大使は北に召還され、そのまま処刑されたと考えられている。正男氏も相当警戒していたはずだが、女性に弱い点があだになった可能性もある」
★恐怖政治
金正恩体制では多くの幹部が粛清、処刑されてきた。張成沢氏は国防副委員長だった2013年12月に突然、全ての職務から解任され処刑。韓国情報機関は昨年10月、正恩体制が同1〜9月に計64人を公開処刑したと報告した。今年1月中旬には高官の粛清を主導してきた秘密警察、国家保衛省のトップも解任されている。正恩氏自身も身辺に不安を感じ、警護用に爆発物や毒物の感知装置を新たに導入したり、視察など外部活動を頻繁に取り消したりしている。
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