歌舞伎座「猿若祭二月大歌舞伎」の開幕前に一番太鼓の儀に臨んだ中村勘九郎=東京・銀座 歌舞伎俳優、故中村勘三郎さんの孫で中村勘九郎(35)の長男、波野七緒八くん(5)と次男の哲之くん(3)が2日、東京・銀座の歌舞伎座で開幕した「猿若祭二月大歌舞伎」(26日まで)でそれぞれ三代目中村勘太郎、二代目中村長三郎を名乗り、初舞台を踏んだ。
2人は夜の部に上演された同家縁の演目「門出二人桃太郎(かどんでふたり)」に出演。母で女優、前田愛(33)らが見守る中、三味線などの音に合わせて踊り、せりふを述べ、約40分間、桃太郎を熱演。最後は、勘九郎演じる鬼の総大将を退治し、大きな声で「えい、えい、おー!」と勝ちどきをあげた。
そんな2人の一挙手一投足に満員の客席同様、舞台上の勘九郎もガン見。劇中の口上では「桃太郎ではありませんが、役者としては生まれたばかり。まだ海のものとも山のものとも知れませんが、兄弟仲良く、切磋琢磨(せっさたくま)し、努力、精進を重ね、ゆくゆくはこの場に一番いたかったであろう父、勘三郎のように、皆から愛される立派な役者になれますよう、ご指導、ご鞭撻(べんたつ)のほどよろしくお願い申し上げます」とあいさつ。
2012年に死去した勘三郎さんの名を口にした際、感極まった表情を見せた勘九郎に観客から万雷の拍手が送られた。
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