1962(昭和37)年に甲子園で春夏連覇した作新学院が、今度は夏春連覇に挑む。昨夏はエース右腕・今井達也投手(西武D1位で入団)を中心に54年ぶりに日本一に輝いた。ポスト今井として決意を示すのは、エース左腕・大関秀太郎投手(2年)だ。
「今度は自分たちがセンバツに優勝したい気持ちはあるけど、まず1戦。今井さんたちの代もそうでしたから」
最速152キロ右腕の今井から、最速135キロ左腕は多くのものを学んできた。マウンドに立つまでの準備、練習法、新たな球種をマスターする方法。今、取り組んでいるのは今井直伝のカットボールだ。
「右(投げ)と左(投げ)だし、(球の)スピードも違う。でも、真っすぐとスライダー、チェンジアップ中心だった自分が、自分なりに使えるようにできればと思っているんです」
昨夏の甲子園でベンチから外れた悔しさを秋の大会にぶつけた。球持ちのよさと制球力、度胸で9試合70回2/3を投げ、被安打58、55奪三振で自責点は8、防御率1・02。堂々たる結果を残し、夏春連覇へ動き出した。ここに今井カットをプラスし、「トップは目指すが、秋を見て、まだまだ全国で戦えるとは思えない」と冷静に分析する小針監督の期待を上回る活躍を期す。 (高校野球取材班、おわり)
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