成績だけでなく、背中で、姿勢で強虎へ変えた金本知憲。勝つために、自己犠牲による進塁打も辞さず、常に全力疾走。指揮官は糸井の「2番構想」を描いているが、それは時につなぎの3番をこなした自身の03年の姿と、ダブらせているのかもしれない-。
そんな鉄人からすべてを吸収し、より高みを目指す超人。金本監督が、自身も広島時代の00年に達成したトリプルスリーを期待していると伝え聞くと「狙いたい? はい。そうですね」と即応した。さらに守備でも「センター一本」という方針に「もともと(日本ハム時代から)センターでやらせてもらっていたんで、大丈夫だと思います」。昨季6試合で先発した中堅を今季は一度も守っていないが「練習します」と力を込めた。
25日、阪神の入団会見が行われる予定。その前に、この日は猛牛戦士として最後のユニホーム姿を披露した。そして出番のない午後1時30分に突然、グラウンドへ。フェンス越しに「バットいる?」とファンに直接声をかけ、サイン入りバットを10本、次々と配った。サプライズプレゼント。感謝の思いを、なんとか形にしたかった。
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