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阪神・藤浪、侍で手に入れた必殺球「バックフット・スライダー」

藤浪が手応えをつかんだバックフット・スライダー。12日のオランダ戦の七回、プロファーを空振り三振に斬った1球だ

 手土産はマエケンの必殺技! 侍ジャパンの強化試合に参加していた阪神・藤浪晋太郎投手(22)が14日、帰阪した。代表合宿の収穫は12日のオランダ戦(東京ドーム)で投じた左打者の内角低めへのワンバウンドになるスライダー。「バックフット・スライダー」と呼ばれ、米大リーグ、ドジャースの前田健太投手(28)も得意とする投球術。新たな決め球誕生の予感だ。


 ヒントは強打者との真剣勝負にあった。4試合を含む8日間の合宿。侍ジャパンでの戦いを終えた藤浪は収穫を「試合で投げられたこと」と即答した。特に、あの1球。確かな手応えを得た。

 「持っている球種の中で、勝負球にできるかもしれないと思いました」

 登板した12日のオランダ戦だ。左打席のジュリクソン・プロファー内野手(両打ち、レンジャーズ)から空振り三振を奪った。3回3安打2失点(自責1)の38球の中でも印象的なシーン。今季レ軍で90試合に出場し、メジャー通算12発の大リーガーを膝もとのスライダーで誘った。左足に当たりそうなワンバウンドの球だった。

 11日のメキシコ戦では、野村(広島)が左打者に内角低めの変化球を本塁打された。その瞬間、テレビ解説を務めたドジャースの前田が指摘した。

 「外国人はあそこを打つのがうまい。僕は後ろ足を狙って投げます。『バックフット』っていうんですけど」

 前足を目がけて投げると、変化が早く見極められるが、軸足となる後ろ足、英語でバックフット(back foot)を目標に投げ、より打者の近く変化させることでバットに当てることもストライクかどうかの見極めも難しくなる。ダルビッシュ(レンジャーズ)も使うメジャー仕様の攻め方だが、藤浪の1球が、まさにそれ。右腕もマエケンの理論に納得した。


 「リーチがある打者には拾われてしまう。『より厳しく』と思って投げました。極端にワンバウンドさせるくらいで」

 打者の軸足を狙ったわけではない。それでも、近い感覚は持っていた。意識を明確にする方法論が前田の「バックフット」。縦にも横にも鋭い変化が求められるが、キレのあるスライダーを操る虎のエースなら修得できる。決め球として精度を高めれば、代表入りを狙う来年3月のWBCはもちろん、国内での戦いにも必ず生きる技だ。

 この日タテジマに戻った右腕は鳴尾浜で練習を続ける。反省と収穫を踏まえて来季のイメージを作り上げるが、貴重な手土産を持ち帰った。

 「いい勉強になりました。いろいろな人の話も聞けましたし」

 見て、聞いて、一流選手から学んだ。最大の財産は自ら投じ、肌で感じた1球。ひと冬を越え、進化する藤浪の投球術から目が離せない。 (安藤理)

★藤浪の侍ジャパン登板VTR

 12日のオランダ戦(東京D)、2番手で五回から登板。先頭の3番・デカスターは味方の失策で出塁。続く4番・サムスに左中間へ本塁打を浴びた。その裏に打線が6点を奪って逆転。六回は三者凡退に仕留め、七回には19歳でメジャーデビューを果たした先頭の2番・プロファー(レンジャーズ)をスライダーで空振り三振。その後、安打を許すが、一発を浴びたサムスを空振り三振。5番・ザラーガも二ゴロに仕留め、3回2失点(自責1)で降板。試合後、左打者のひざ元から曲げる得意のスライダーに対し「あそこはポイント。効果的に使えたら」と手応えをつかんでいた。

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