35歳とは思えぬ肉体を持つ糸井。阪神は最大限の誠意でアタックする オリに負けん! 11日に、オリックスからFA宣言した糸井嘉男外野手(35)と初交渉を行う阪神が、4年の長期契約を提示することが10日、分かった。ライバルが4年総額18億円で引き留めていることに対し、阪神球団首脳は「オリックスさんに負けない条件を提示する」と力強く宣言した。
来季就任2年目の金本監督を、フロントも全面バックアップする。糸井を絶対に獲得する-。その強い決意が、数字にもあらわれた。3年契約を軸に、幅を持たせて対応する予定だった契約年数だが、球団首脳は運命の日を直前に、はっきりと言い切った。
「(同席する)金本監督の力に頼るだけではダメ。フロントも一丸となっていくことが大事。オリックスさんに負けない条件を提示する」
全力で引き留めをはかるオリックスは、すでに今季年俸2億8000万円の糸井に対して「4年総額18億円」という破格の条件を提示している。その情報をキャッチした阪神サイドは、電鉄本社の首脳と会談。本社の全面支援を取り付け、3年から4年へ条件を見直した。
FA宣言選手が公示されたこの日は、高野球団本部長が西宮市内の球団事務所で会見。条件については明言しなかったが「あした(11日)それを(糸井に)ぶつけてきたいと思います」と宣言。条件はライバルに一歩も引けをとらない。表情は自信にあふれており、「(結論まで)長くなれば、脈があるということ」と長期戦を辞さない覚悟も示した。
「若い子たちが伸びているんですが、ファンの期待に応える、勝つということを考えると、得点力とか機動力、そういう点で(ライバルに)対抗していきたい。糸井選手は数字も、躍動感も、戦力としてもそうですし、ファンに訴える力とか。勝つというところで、うちの球団と合致している選手ではないかなと」
今季506得点はリーグワースト2位。優勝した広島に178も差をつけられた。59盗塁も同ワースト。打って走れる糸井はチームの弱点を埋める存在だ。誠意は、金銭面だけでない。金本監督の直接出馬。さらに右翼・福留の一塁コンバートによって、超変革と補強を融合できる流れを作り、糸井が入りやすい環境も整えている。
阪神優位とみられるオリックスとの争奪戦。別の球団首脳は「阪神に来てくれると信じている」と祈るように話した。本社-球団-現場が一丸となった「誠意」で、糸井のハートを射貫く。
★10月1日 オリックスのシーズン最終戦後、糸井は「最初で最後なので」と熟考することを宣言。球団は宣言残留を認め、大型契約で全力慰留する方針を固めた
★同2日 阪神がFAでは糸井に一本化したことが判明
★同12日 オリックスの秋季練習に糸井が現れ、福良監督と面談。「日々揺れ動いています」と心中を明かした
★同18日 糸井がオリックスと2回目の残留交渉をしていたことが判明。「返事できない」と態度を保留
★11月1日 糸井が国内FA権を行使することをオリックスに伝えた
★同7日 糸井が金髪から黒髪に変身し、球団事務所を訪れてFAの申請書を提出。阪神が獲得に乗り出すことについて「選手としてすごく嬉しいです」と話した
この記事をシェアする