引退会見に臨む広島・黒田=広島市中区(撮影・鳥越瑞絵) 日米通算で203勝を挙げている広島・黒田博樹投手(41)が18日、広島市内で記者会見し、今季限りで引退すると発表した。22日に開幕する日本ハムとの日本シリーズが最後の勇姿となる。25年ぶりのセ・リーグ優勝に大きく貢献した男気右腕の万感トークをたっぷりどうぞ。
(黒田から)
「本日はこういう場を設けていただき、ありがとうございます。昨日、球団の方に引退の意向を伝え、そして了承していただき、本日練習前にまずは監督、コーチ、選手、そして裏方さんの前で引退することを伝えました。そしてその後こういう場を設けていただき、たくさんのファンの人たちに応援していただいたんで、そういう人たちに最後の登板の前に何とか報告できればいいと思ってこういう場を設けていただきました」
--引退を決意した理由
「理由はたくさんあるんですが。まだみなさんがご存じのように日本シリーズの登板も残っていますし、すべてをお伝えするのはなかなか難しいのですが、今年リーグ優勝して、日本シリーズに進出できたというのが一つの大きな要因だったんじゃないかなと思います」
--いつから引退を意識したのか
「2、3年前からずっと毎年毎年そういう気持ちでシーズンを迎えてたんで。ただ本当に自分の中で考え出したのは9月すぎ、優勝が決まってから本格的に自分で考え出しました」
--決断は自分自身でしたのか、誰かに相談したのか
「相談というか引退に関しては自分自身で決めましたし、後は横にいる鈴木さん(球団本部長)に相談しましたし、選手の中では新井だけには伝えていたんで、それ以外にはお話することはなかったと思います」
--新井選手に話をしたのはいつごろか
「はっきり覚えていないんですけど、優勝が決まった後くらいだったような気がします」
--新井から声かけられたか
「『もう1年やらないんですか』と言われましたけど、自分の意思は固かったので。ある程度納得してくれたと思います」
--報告にこのタイミングを選んだ理由は
「難しいところはあったんですが、僕自身は(日本)シリーズがすべて終わってから伝えようと思っていたんですが、日本シリーズ進出も決まって、自分がもしかすると次投げる登板が最後になるかもわからないんで、その前にまずはチームメートに伝えないといけないという気持ちと、たくさんの人に応援していただいたので、そういう人たちに自分の口で伝えなければいけないんじゃないかなという気持ちで、このタイミングになりました」
--悔いはないか
「今年みんなの力で優勝を経験させてもらって最高のシーズンを送れたので、悔いはないです」
--日本シリーズへの思いは
「あと何試合登板できるか分からないですが、今までも最後のつもりで常にマウンドにあがってきたのでそれはかわらないと思いますけど、目いっぱい、最後けがをおそれず目いっぱい投げていきたいなと思います」
--カープファンへのメッセージを
「去年広島に帰ってきてたくさんの声援をいただいたので、日本一という形で何とか恩返しができるように、選手一丸となって戦っていけたらいいなと思っています」
(新聞記者に対して)
--悩んだか
「今年始めた時点でこうなるだろうなという覚悟はあったんですけど。それプラス優勝できて日本シリーズに進出できてというのがすごく自分の中では大きかった」
--体の状態
「日本シリーズが終わってから、みなさんの前でお話しします。今、言ってしまうと…。登板あるので」
--表情は穏やか
「自分の中ではチームメートに伝えないといけないという気持ちがあった。ああいう形で伝えることができたので、ほっとしている。ファンの人に対しても最後、真剣勝負する前に伝えないといけない気持ちあった。そういう部分でほっとした部分あった」
--引退を発表してからの登板になる
「難しさはあるかもわからないし、こういう発表した後なので、周りの選手に迷惑がかかる部分はあるのかもしれない。自分の中で葛藤はありましたが、ここまできたので今まで戦ったメンバーに対しては、ちゃんと自分の口から自分の言葉で伝えたいなと思っていた」
--発表した今
「自分で自分の引き際を決めるわけなんで、それはそれなりに大変だと思うが、そういう自分の引き際を間違えないために今まで一生懸命やってきた部分ある。だから、それに関してはこういう引き際を選べたのは、よくやってきたという思いはある」
--美学か
「(松田)オーナーにあいさつにいったときにも言わせてもらったが、今まで先発して完投してというスタイルでやってきて、9回投げることができない体で、やっぱり他の選手に対しての示しを見せることができない歯がゆさが常にあった。そういう部分が多少なりにも大きかった」
--リーグ優勝、そして日本シリーズ出場
「すごく大きかった。周りに感謝」
--優勝していなかったら
「わからない。自分の中でどういう心境になっていたか」
--緒方監督に対しては
「オーナーの後に監督のところに行きました。いろいろ話をさせてもらいました」
--最後の登板になる
「どういう心境になるか、全然わからないが、いつも通りに変わらず。さっきも言ったように、今まではきょうが最後だと思ってマウンドにあがっていた。それがリアルにくるわけなんで想像できない」
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