■8月4日
女子マネジャーがユニホーム姿で練習を手伝っていたら大会本部から制止されたという。全国高校野球選手権の甲子園練習。2年ぶりの出場となる大分は3年生の女子マネジャー首藤桃奈さんが練習補助員として参加し、守備練習でノッカーにボールを手渡していた。約10分後、大会関係者が気づきベンチに戻された。
大会規定では試合の練習補助員とボールボーイは男子のみで、甲子園練習も準じる形になっているという。ノックの手伝いでも注意力に欠けると、運悪くボールに当たって大けがするかもしれない。硬球の危険性に配慮した高野連の規定はわからなくもない。
しかし、首藤さんは甲子園で初めてノックを手伝ったわけではない。ふだんの練習でもボールを手渡しており安全面にも十分注意しているだろう。練習を手伝う女子マネのいる高校は多い。「危険防止」のため女子はダメ、というなら甲子園だけでなく、ふだんの練習から女子が手伝うことを全面的に禁止しなくてはならない。
男子にはスピードやパワーが劣るものの、いまや女子にもプロ野球があり大学、高校、最近では中学でも硬式野球の全国大会が開かれている。東京六大学の慶大野球部では今春卒業した川崎彩乃投手が4年間、男子部員にまじって汗を流し、昨秋のリーグ戦で「女子にも門戸を開いている六大学野球」の象徴として務めた始球式は記憶に新しい。
そういう時代の潮流には、なじまない規定でもある。大分は「3年間マネジャーとして苦労したごほうびに」と甲子園に立たせた。その気持ちもよくわかる。安全面で責任をもてるという学校なら、女子の練習手伝いくらいは認めてもいいのではないか。 (今村忠)
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