青柳はヤクルト一家だった。初登板の燕戦に、ためらいはないのか-。虎党のみなさん、ご安心めされよ。ドラフト5位ルーキーは大粒の汗をしたたらせながら、強烈な恩返しを誓った。
「母も兄もヤクルトで働いているので、ヤクルト一家です。でも、僕はまったく気にすることなく、抑えにいきたい」
幼いころに両親が離婚。母・利香さんはヤクルト製品を宅配するヤクルトレディとして働き、女手ひとつで育ててくれた。兄・勇輝さんも現在、ヤクルト本社に勤務。さらに「僕も3歳までヤクルトの託児所にいました」と明かした。
子を持つ母が多いヤクルトレディのために、職場のそばには必ず託児所がある。青柳も母の勤務中はそこで過ごした。自宅にはもちろん、ヤクルト製品が。「いつもありました。どれも好きですよ」。ヤクルト、ジョア、ミルミルなどを飲んで、すくすくと育った。
あまりにも縁が深すぎるチームとの対戦に、ためらいはないのか? 完封しちゃったらお母さんもお兄さんも肩身が狭いのでは!? そんな周囲の心配をよそに、本人は「抑えれば(家族が)喜んでくれると思う」。それはそれ、これはこれ。猛虎の一員として気迫をみなぎらせた。
この記事をシェアする