書道五段の阪神・馬場哲也マネジャー(47)の記す「公式打順表」は、他球団から達筆と評判だ。1軍マネジャーとして10年目。仕えた4監督の中で、和田前監督だけは必ず自分で署名するのがこだわりだったとか。ひそかなゲン担ぎもある。「負けが込んでくると、文字の色を青と黒で変えたりしています」。今季は開幕から青だそうだが、そろそろ?
2004年の新人王右腕、ヤクルト・川島亮マネジャー(34)の宝物は、昨季1年目で書くことができた日本シリーズのメンバー表だ。日本シリーズは特別仕様で、第1戦の前に日本野球機構から両軍に直接渡される。「みんなで優勝して出られた日本シリーズ。今も手元に大切に残しています」と振り返る。
たかがメンバー表というなかれ。09年9月5日の横浜-中日(新潟)では、横浜が翌日の先発予定だった投手を誤って記入してしまい、急きょ登板。本物の先発投手、ランドルフが一回一死から試合終了まで8回2/3を投げ、2安打完封勝利を挙げるなど、誤記載による珍事は何度か起きている。
慎重に、丁寧に、勝利を願って-。マネジャーが思いを込め記す配役表を合図に、試合のドラマは幕を開ける。
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