今冬放送シリーズで完結するフジテレビ系時代劇「鬼平犯科帳 THE FINAL」が17日、京都・松竹撮影所でクランクアップし、主演の歌舞伎俳優で人間国宝、中村吉右衛門(72)が1989年から演じた鬼平に別れを告げた。
鬼の平蔵こと江戸時代の火付盗賊改方長官、長谷川平蔵の活躍を描いた池波正太郎氏の同名小説が原作。吉右衛門は「あっという間の28年間、長くもあり短くもありました」と充実感を漂わせた。
池波氏が実父の故松本白鸚さんをイメージして書き、白鸚さんが初代、丹波哲郎さんが2代目、萬屋錦之介さんが3代目、自身が4代目を演じた鬼平について「父の貫禄があり、世の中のすべてを知り尽くした男の鬼平をマネしておりました」と長年の役作りを告白。
続けて「鬼平は不言実行の方。まず自分で動いて、相手と対決して、倒していくのが鬼平像だと思ってきたので、年を経るごとに体の自由がきかなくなってきまして、動けるギリギリのところで…」と最後になる経緯を明かした。計150本を演じきった引き際の潔さは鬼平そのものだった。
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