伊藤隼が中飛に倒れ、北條が死球で歩いて一死一、二塁。続く岡崎への4球目にスタート。三塁送球がわずかにそれ、タッチも間に合わない。一走・北條も合わせて二塁に滑り込む。チームとして4月5日の巨人戦(東京D)以来の重盗で相手に重圧をかけると、小熊が6球目に暴投。2点目は足で奪い取った。
矢野作戦兼バッテリーコーチが「(西岡)剛がいいプレーをしてくれた。すごい野球センス」とたたえ、金本監督も「そういうのができるのが剛だからね」とうなずいた。
右肩痛の影響で交流戦中に一時外野を守ったが、今も万全とはいえない。6月24日からの広島遠征ではベンチ裏で肩周りのストレッチを受けてからグラウンドに出た。試合前練習で左右両打席で打つことがルーチンだが、この日は右打席では打たず。肩の状態を考慮しながらも、貧打に苦しみ借金を抱える現状に必死で抵抗する。
「今はチームとして壁にぶつかっているところだと思う。その壁の前で立ち止まるのか、弾き返されてもぶつかり続けて、ヒビを入れて壁をぶち破るのか。僕は後の方なので」
三回無死満塁での投ゴロ併殺打など反省点もあるが、立ち止まらない。苦境を打破するため、西岡は動き続ける。 (高瀬悟嗣)
この記事をシェアする