7打席連続三振に倒れ、ベンチで荒れるゴメス。来日初の代打を送られた(撮影・山田喜貴) (セ・パ交流戦、阪神0-1ソフトバンク、2回戦、1勝1敗、18日、甲子園)我慢の限界!! 阪神はソフトバンクに、今季ワーストの2安打で零封負け。金本知憲監督(48)は七回、7打席連続三振を喫したマウロ・ゴメス内野手(31)に来日初となる代打を告げた。明らかなボール球に手を出す主砲に「パニクっている」と断。今季最多4万6794人の聖地で5位に転落し、2年ぶりの交流戦負け越しが決まった。
ネクストバッターズサークルに、ゴメスの姿はなかった。俊介が素振りを始めると、聖地にどよめきが起きた。1点を追う七回一死。俊介と入れ替わる形で狩野が打席へ。代打を告げた金本監督の我慢も限界だった。
「当たる気しないでしょ。本人もどうしていいのかパニクっているところもある」
来日3年目にして初めての代打。しかも、ソロを放てば同点の場面だ。チーム最多の13本塁打を放っている助っ人からすれば、屈辱以外の何ものでもなかった。
先発・千賀の土煙を上げるボール球にすら、バットが空を切る。2打席で6スイング中、バットに当てたのはファウルの1度だけ。四回二死走者なしの第2打席は、すべて外角低めにボール球を投げられ、手を出す始末。最後はワンバウンドのフォークに、投手方向に動きながらスイングする迷走ぶりだった。
自己ワーストの7打席連続三振を喫すると、自らにブチ切れた。地面を蹴りながら引き揚げ、ベンチ内でバットを激しく叩きつけた。五回の守備につく際も怒りは収まっておらず、西岡になだめられるほど。再び冷静に打席に立てる状態ではなかった。
金本監督は試合前、片岡打撃コーチ、オマリー打撃コーチ補佐を交えて5分以上、ゴメスと打撃ケージ裏で会談した。「自分の好きなようにやってみろ、と。リフレッシュして。自分で考えて、なぜああなるのか」と虎将は技術面だけではなく、精神面も説いたことを明かした。練習後、「タイミングについての話だった。あんまりよくないから」とゴメス本人もうなずいていたが、笛吹けど踊らず…。試合後「何もないよ」と険しい表情を浮かべた。
指揮官はゴメスのスタメン落ちについて「やっぱりトリ(鳥谷)と(福留)孝介とゴメス、この3人の代わりはいない」と否定したが、打順降格の可能性は高い。19日は、2014年の日本シリーズも含めて通算5打数無安打3三振と相性の悪い武田が先発。片岡打撃コーチは起用法について「明日、監督と話し合う」とした。
打線は毎回の14三振で、今季ワーストタイの2安打。得点圏に走者を進めたのは三回の1度だけ。19試合一発のないG砲とともに、チームも13戦本塁打がない。チーム打率・242は、ついに12球団最下位となった。
「最後は自分。いくら周りが手助けしても最後は自分が考えて、迷路を抜け出すしかないんだから。誰でもそうだけど」
金本監督が強調した。鳥谷とともに開幕からスタメンで出続けるゴメスがもがき苦しみ、はい上がってこなければ、虎打線に光は見えない。 (阿部祐亮)
「全部ボール球を振っている」
「あれだけストライクゾーンを広げてボール球を振ると、速い球がくるとね…。コンパクトに打ちたい気持ちはあるけど、どうしても1球で捕まえられない。そして変化球でやられてしまうということ」
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