米大リーグ、マーリンズのイチロー外野手(42)がピート・ローズの持つメジャー歴代最多、4256安打を更新する日米通算4257安打をマークした。オリックス時代の1999年から練習法を指導するのは鳥取市のトレーニング研究施設「ワールドウィング」の小山裕史(やすし)代表(59)。イチローが師事し、世界も注目する「神経、脳科学を専門とする動作科学研究者(博士)」が独自の理論などを語った。
現在、イチロー君が取り組む「初動負荷理論」と、そのトレーニングがなぜ、スポーツパフォーマンスを高めるかに関する検証が続いています。まず、これまで不可能とされた脳機能障害、まひ改善成果、故障改善の著しい成果により、海外の科学、医科学界で注目されるようになった「初動負荷理論」とは?
たとえば両足で立った状態で、素早く右腕を肩の高さまで上げるとしましょう。すると右腕が上がる前に、右側の太ももの裏や左腰の筋肉が活動します。これらは人間に備わる平衡感覚や転倒予防などの動きを促すために起こる動作前の「脳の先行指令」によるものと考えられています。
一方、これまでの研究では中腰になったり、座る動作などで脚や腰が緊張すると、脳の活動が先行しないことや、指令が阻害されることが知られています。またどのようにすれば改善できるか、不明だったとされています。