ぺこぱのシュウペイ(左)と松陰寺太勇=東京・大手町 ぺこぱ(オスカープロモーション所属) ★結成・2008年 ★ツッコミ担当・シュウペイ(28) ★ボケ担当・松陰寺太勇(32)
甘いマスクのシュウペイと大衆演劇をほうふつさせる派手なメークで決めた濃いキャラクターの松陰寺の2人が、キザで動きが多い漫才を繰り広げる。
--松陰寺さんのようなメークは漫才では珍しいですよね
松陰寺「簡単にいうとキャラ芸人です」
シュウペイ「結成当初は僕がボケで、ツッコミが松陰寺。担当が今とは逆で、スーツを着た正統派漫才をしていました。そのあとはヒップホップ漫才などを5、6回、芸風の試行錯誤を重ねて、1年半くらい前から今の形になりました」
松陰寺「一番遠回りな近道でたどり着いたと思います」
シュウペイ「いつもそう言っています。訳が分からないでしょう」
--結成までのいきさつは
松陰寺「故郷の山口から大阪の音響やPAなどのレコーディング専門学校で2年間学んだのですが、卒業後は表舞台に立ちたいと思い、ギターを手にミュージシャンを目指して上京しました。しかし、プロのレベルは高すぎて挫折…。ピン芸人なら自分にもできるだろうと、軽い気持ちで」
シュウペイ「そのころ松陰寺がバイトをしていた居酒屋に、僕が後からバイトで入りました。そこでコンビを組もうと誘われました」
松陰寺「当時のシュウペイは典型的な渋谷のギャル男のフリーター。シュウペイに『将来、何をやりたいの?』と聞いたら、『伝説を作りたい』とぶっ飛んだことを言ってくれたので、気に入ってコイツと組もうと思いました」
シュウペイ「僕はやりたくなくて、断り続けました。ある日、ピン芸人としての松陰寺のライブを見に行きまして。あまり面白くなくて…。断ろうと思ったのですが、半年くらい誘ってくれたので、試しにお笑いをやってみようかと。そして、今日まで来ました」
--デビュー8年目ですが、これまでのターニングポイントは
シュウペイ「昨年(8~9月)NHK BSプレミアムで放送された『爆笑ファクトリーハウス笑けずり』という番組に7週間レギュラーで出演したことですね。250組のオーディションから僕らを始め、選ばれた若手9組が山梨の本栖湖近くで合宿生活をするという番組です」
松陰寺「中川家さんやサンドウィッチマンさんらが講師に訪れて、課題に合わせた新ネタを作る内容でした。審査結果で毎週1組ずつが削られていく(脱落する)お笑いサバイバル。僕らは3組が残る最終回の準決勝で負けましたが、そこで新たなスタートラインに立てました」
シュウペイ「僕は、そこでお笑いへの考え方が変わりましたね」
松陰寺「でも、ネタはすべて僕が考えたので。シュウペイは『キャプテン翼』の単行本全37巻を読破しただけですよ」
--相方より自分が先に売れたら
シュウペイ「俳優として映画に出たい。2人の女性から取り合いをされる三角関係のモテる男役ですね。あとはサッカーが大好きなので、サッカー番組のMCとかやりたいですね」
松陰寺「(プロ野球)ロッテの大ファンなので、QVCマリンフィールドで始球式をしたい。一番の目標はミュージシャンになり、音楽業界を盛り上げたいですね。自主製作ですが、1枚ソロで『風』というタイトルで昨年発売しました。全9曲で、現在は約70枚売れています」
シュウペイ「松陰寺が作詞作曲編曲、演奏のすべてをやっています。彼は新ネタを新曲、ネタの冒頭をイントロ。すっかりミュージシャン気取りです」
--今後の目標は
シュウペイ「M-1グランプリの決勝進出です」
松陰寺「決勝戦のテレビ中継で多くの人に僕らを見てもらえれば、大きく変われるような気がしていますので。昨年は2回戦で敗退したので、無念でした…」
6月20日に東京・新宿vatios(バティオス)で「オスカープロお笑いライブ」に出演、7月4日にはTBS系「有田ジェネレーション」(月曜深夜1・58)に出演する。1月に東京・下北沢のしもきた空間リバティ初の単独ライブを成功させ、自信をつけた2人のさらなる活躍に期待だ。
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