白星が一番ほしかったが、結果もほしかった。前日4日の同戦は、5月1日以来27試合ぶりに先発マスクを岡崎に譲った。金本監督は「2軍でずっと出続けた経験もない。ケアする意味でも積極的に休ませました」と配慮を明かしたが、背番号94としては、攻守で精彩を欠き続けるわけにはいかなかった。
疲労がないといえばウソになる。だが、この疲れこそ待ち望んでいたものだ。朝、目が覚めるたび腰痛が再発していないかおびえ、野球すらできなかった時期を経験した。でも今は1軍で、捕手ができている。
映画館でポップコーンを買い、スクリーンの前に座るのが休日の楽しみだったが封印している。「見たい映画の上映時間が3時間くらいあって、(座りっぱなしで)あまり腰を酷使してもいけないので」と苦笑いする。すべてを野球にささげてきた。これからもそうだ。出た試合の数だけ、勉強とケアを積み重ねながら進んでいく。
「(1日休んだが)それは関係ないです」
力強く、前を向く。毎日、チームを勝ちに導きたい。改めて、原口はシンデレラストーリーの続きをつむぐ。 (長友孝輔)
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