阪神・伊藤隼太外野手(27)が29日、BCリーグ福井との交流試合(福井)で2安打2打点。1月末にウエートトレーニングの最中に右肩を大けがした若虎について、掛布雅之2軍監督(61)は「いい形で打てている。ゴーサインだよ」とリハビリ組扱いからの卒業を示唆した。
独立リーグにまさかの大敗。2-8で敗れた若虎軍団の中で1人だけ違いをみせつけた。3点を追う六回一死一、二塁。伊藤隼がらしいスイングでチーム唯一となる2点タイムリーをたたきだした。
「こういう試合展開ですけど…。一応、(NPB所属の)プロとしての意地もある。しっかり対応して仕留めることができたと思います」
2四球で巡ってきた好機で、先発藤岡の直球を豪快に引っ張った。打球は右中間を抜け、フェンス際まで転々…。二塁ベースに到達すると拳を力強く握った。一回先頭にも初球撃ちで右前打。これで、前日28日のBC富山戦(高岡)に続いて2試合連続のマルチ安打とした。実戦復帰から約2週間、試合勘を取り戻しつつある。
掛布2軍監督は2013年に阪神の育成&打撃コーディネーター就任当時から伊藤隼を指導してきた。右肩の大けがを乗り越えての復活の兆しに「いい形で打てている。この2試合を見ていけると思う」と満足げ。続けて「まだトレーナー預かりだったけどね。31日からゴーサインだよ」とリハビリ組の卒業を示唆した。
キャンプ前は1軍のスタメン候補だった伊藤隼が競争の輪に加わって、外野争いはさらに激化の予感だ。つらく長いリハビリを乗り越えて、表舞台へ。試練を乗り越えたハヤタの2016年がようやく本格スタートする。 (柏村翔)
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