後楽園ホールで初めて見たときの第一印象は、精悍な顔つき。プロボクシング元世界チャンピオン飯田覚士にどことなく似ていると思った。坪井チャンピオンのことを載せたいと言うと、「一応、チャンピオンです」と謙虚で礼儀正しい。日大ボクシング部の合宿所生活では、当然ながら40人分の食事当番を務め、料理もする。
元々は、空手少年だった。小学校6年生の時に行った、アマチュアボクシングジム主催の体験会でボクシングの魅力に取りつかれ、ボクシングの道へ。中学時代は、文化部のパソコン部に所属し、ほとんど部活には行かずに、ボクシンングジムに通った。地方のスパーリング大会などに参加し、腕を磨いた。高校時代の最高成績は、国体準優勝。同期には「モンスター」井上尚弥の弟、OPBF東洋太平洋王者の井上拓真や前WBOミニマム級王者、田中恒成がいる。井上とは2回、東海地区で一緒だった田中とは5回、拳を交えている。
大学1年生の全日本選手権で、元全日本王者の柏崎刀翔、プロへ転向した京口紘人(大商大)、谷口将隆(龍谷大)などの強豪に勝利し優勝。翌年も見事に連覇した。今年の目標は「リーグ戦で日大として3連覇、全日本でも3連覇」。リーグ戦も2戦終了したところで、日大も坪井自身も2連勝中。ライトフライ級王者ながら、リーグ戦は1階級上のフライ級で出場。相手が大きく「やりずらい」と素直に答えた。試合中に梅下監督をよく見ていることを尋ねると、「監督を信頼している。何かあれば監督を見る」と、絆も強い。
ライバルについては、「あまり思いつかない。誰にも負けたくない」と自分自身との勝負のようだ。最後に、将来の目標を聞くと「2020年東京オリンピックで金メダル」と迷いなく答えた。