10回、サヨナラ2点本塁打を中日・ビシエドに許す阪神・福原と今成=ナゴヤドーム(撮影・安部光翁) (セ・リーグ、中日4x-2阪神=延長十回、6回戦、中日4勝2敗、17日、ナゴヤD)試合終了を待たずして帰ろうとした虎党を、第3の捕手・今成が席に戻らせた。
「昨日(16日)もあと1人となってブルペンにいってました。捕る分にはすんなり捕れた。ただチームがこういう風に負けて責任を感じています。しっかりと結果を出せるように頑張ります。(サインは)全部自分で出しました」
1点を追う九回二死一塁。代打で打席に立ち、フルカウントからの8球目。フォークをたたきつけた。一、三塁と好機を作った右前打に、金本監督は「今成も十分(捕手で)いけるし、あそこは思い切って攻めないと」と続く岡崎への打席で即決。捕手2人制の2人をベンチに下げる代打・福留起用で一時同点打を呼ぶと、直後の守備で扇の要に座らせた。
昨秋、今春とキャンプで万が一に備えて練習していた元捕手が、2013年7月13日のDeNA戦(甲子園)以来、1009日ぶりにマスクをかぶった。高宮とサインを入念に確認し、九回は3人斬り。延長十回にサヨナラ被弾も、矢野作戦兼バッテリーコーチは「よくやってくれた。キャッチングも落ち着いてやっていた」と、ねぎらった。
捕手2人制を支える男の存在感が、敗戦の中での収穫。今成がいるから金本阪神は迷わず勝負手を繰り出せる。(高瀬悟嗣)
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