1点リードの七回二死満塁で、井手を3球で一ゴロに仕留めた安藤はこのガッツポーズ(撮影・岡田亮二) (セ・リーグ、阪神4-3DeNA、4回戦、阪神3勝1敗、12日、甲子園)コールされた瞬間、甲子園は異様な雰囲気だった。どよめき、不安、期待…。スタンドを埋めたジェット風船が怖くみえるほどだった。抑えればヒーロー、負ければ…。4-3の七回二死満塁。相手打者は3番・井手。安藤の今季2度目の登板はがけっぷちだった。
「藤浪の勝利を消さないように投げました。たまたま、3球で梅野がうまくリードしてくれました。感謝してます。いい仕事ができてよかった」
これでメシを食ってきた。四球も許されない場面だった。2球で2ストライクと追い込んだ。選んだのは3球勝負。外角低め131キロのスライダーでバットをへし折り、一ゴロに仕留めた。カバーに入った一塁ベース上で小さくガッツポーズ。すぐに西岡が祝福し、福留が江越が駆け寄る。大仕事をしたベテランをねぎらった。
3年連続で50試合登板をクリアしたが、今季年俸は300万円減の8200万円でサイン。39歳となる2016年。結果を残さなければ、あすはない-。奮い立った。
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