1回 福留の中犠飛で生還の高山を迎える阪神・金本監督=横浜スタジアム(撮影・荒木孝雄) (セ・リーグ、DeNA3-8阪神、3回戦、阪神2勝1敗、3日、横浜)うれしかった-。金本監督の言葉に、表情に、その思いがあふれ出た。自分の誕生日が…ではない。孝行息子孝行弟たちの姿が…だ。
「(試合を)やっているときは、いちいち(選手の)頭にないと思うよ。俺も(誕生日を)忘れとったし。まあ、でも現役のときより、うれしいね。満塁ホームランよりも。あと開幕ホームランか。でも、それよりも全然うれしいね」
平田チーフから「ハッピー・バースデー!」と声をかけられて始まった会見で、目を細めた。
4月3日。48歳となった。ケーキの前で笑顔…という歴代監督の恒例行事は事前に辞退。球場到着後は報道陣からの祝福に「AKB(48)やな」と照れ笑いした。
「この年になったら、もう何もないよ。(現役時代は)2本くらい打ったかなあ。神宮の満塁と、京セラかな」
選手での「4・3」は42打数9安打(打率・214)、3発、10打点。優勝した2005年は大阪D(現京セラD)で一発、07年の神宮はグランドスラム、09年はヤクルトとの開幕戦(京セラD)でアーチをかけ、3試合すべて勝利した(通算7勝4敗)。自ら放った祝砲より、選手からもらった勝利のプレゼントの味は、格別だった。
「孝行息子というか…まあ高山、横田は息子の年齢だけど、あとはもう弟やからね。孝行弟」
高山、横田は計3得点。北條や江越ら息子が一発を放てば、ゴメス、福留に藤川ら弟も活躍。文句のつけようのない快勝だった。
「まあでも、誕生日じゃなくてもね。毎日、勝ちたいんだから!」
笑顔で話すと「勝ち越しが目標なのでね。目指すのは当然3つ(3連勝)だけど、結果2勝1敗というのは大きいよ」とうなずいた。6番手の岩貞の起用や、先の神宮で酷使した守護神マテオが使いづらい中で迎えた敵地3連戦で、勝ち越した。最高のバースデーを終え、5日、1・5ゲーム差で巨人との今季初の伝統の一戦へ-。東京ドームへ乗り込む。
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