夏の参院選に自民党から出馬する今井絵理子氏。自民党大会では国歌を独唱した=東京都港区(撮影・春名中) 夏の参院選比例代表に自民党から出馬するダンスボーカルグループ「SPEED」メンバーの今井絵理子氏(32)が産経新聞のインタビューに答えた。
21歳で息子を産み、障害という壁にあたりました。それまで私も障害への差別や偏見を持っていましたが、それは障害者のことが分からなかったからです。
息子が3歳で入所した保育園は、先生が同級生に「耳が聞こえないから肩をトントンとするんだよ」と丁寧に教え、3歳児は一緒に遊んでくれました。ドイツでは、障害児と健常児が同じ環境で学ぶことが多く、世論調査では9割の人が障害への偏見を持っていない統計もあるそうです。
日本の障害者対策は「分ける」傾向が目立ちます。学校も普通学級となかよし学級、特別支援学校などがありますね。障害児に専門的なことを教えるメリットはありますが、多くの子供は障害児を知らずに育ち、両者に壁ができてしまう。
私は「一緒」というテーマを掲げ、両者が一緒に学び、交流できる場所を作りたい。障害は個性と普通に感じてもらえる社会の実現が目標です。
故郷の沖縄には幼いときから米軍基地が身近にありました。過去の戦争の悲惨な話も聞いて育ったので、戦争には反対です。でも戦争は反対だけでは防げず、備えは必要です。現場に赴いて話を聞き、基地の負担軽減策にも取り組みたい。
沖縄は子供の貧困も問題です。週刊誌が書きましたが、私のパートナーも幼少期にネグレクト(育児放棄)を受けた一人。彼は過去に悪いこともありましたが、更生してきちんと生きていくとき、レッテルを貼るのでなく手を差し伸べ支えるのが私の生き方です。彼は手話を覚え息子にも歩み寄っています。(産経新聞 水内茂幸、豊田真由美)
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