2011、12年の最多勝左腕からの安打にも、満足はしない。七回二死の第4打席では山口のスライダーを中前打へ。4試合目のオープン戦で初の複数安打を記録した。
「もちろん、山口投手に限らずですけど、打てたのはよかったです」と充実の汗。かつて虎打線が苦しんだ実績抜群の左腕を攻略。金本監督は「全盛期は過ぎているけど、内海と山口という両左腕からね、やっぱりさすがというしかないかな」と、ほめた。
内海、山口といったビッグネームにたじろがない精神面の強さも高山の武器だ。春季キャンプ終盤に1軍に合流。以来、多くの報道陣に囲まれながら鳥谷、西岡、福留ら大先輩とともに過ごしても、いたって冷静。「緊張感を持ってやっていますが、自分を見失うほど緊張はしていません」。日大三高、明大と名門で経験を積んできたこともあって、メンタルは新人離れしている。中村外野守備走塁コーチも「他の選手と違うよね」と、その精神面を評価する。
巨人は、この日も先発出場したD2位・重信慎之介外野手(早大)やD1位・桜井俊貴投手(立命大)ら新人が活躍。だが、阪神のD1位のインパクトはそれ以上。東京六大学リーグで史上最多の131安打をマークした強心臓のルーキーが強敵を打ち砕き、開幕スタメンへと突き進む。 (柏村翔)
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