サッカー女子リオデジャネイロ五輪アジア最終予選(4日、日本1-2中国、金鳥スタ)日本代表「なでしこジャパン」の佐々木則夫監督(57)が今大会を最後に退任することが、濃厚となった。中国に1-2と敗れた日本は通算1分け2敗の勝ち点1。2試合を残して4大会連続での五輪出場が絶望的となった。2019年フランスW杯、20年東京五輪を見据える後任にはU-23(23歳以下)、U-20日本女子代表監督を兼任する高倉麻子氏(47)が最有力。初の女性指揮官の下、「新なでしこ」が再スタートを切る。
事実上の終戦だ。無情のホイッスルが響く。格下中国にも力負けし、佐々木監督は口を真一文字に結んだ。
「必ず勝たないといけない勝負どころで、結果を出させてあげられなくて監督として残念。僕自身の責任は大きい」
3試合を終え、通算1分け2敗の勝ち点1。7日のベトナム戦前に敗退が決まる可能性もある。日本開催であってはならない惨敗。指揮官は拡声器で6959人の観衆に謝罪し、選手たちも整列して深々と頭を下げた。
昨年12月に大黒柱のMF澤穂希さん(37)が現役を引退。2011年ドイツW杯で初の世界一に導いたベテランが去る一方で、世代交代は遅れた。他国が日本の戦術を研究し、進化を遂げる中、佐々木監督は直前合宿で22歳のMF猶本光(浦和)らの台頭を認めながら最後はベテランを選択。かつての世界女子最優秀監督にも、その手腕に限界が見えた。遠征や合宿を含め、日本サッカー協会の支援も後手に回った。
昨年10月にリオ五輪まで日本協会との契約を延長した同監督は試合後、「将来を目指す中で指導者として僕がいいのか皆さん(日本協会)に検討してもらうことになる」と進退に触れた。予選で敗退すれば契約満了での退任が決定的。昨年末には「3-4年のスパンで若い世代を構築することが重要になる。僕の駄洒落も通用しなくなる。いいタイミング。だから今年は去る(申)年」と偽らざる心境を明かしていた。
予選敗退となれば強化計画も白紙に戻される。20年東京五輪を見据える新チームの最初の公式大会は来年に日本で開催する東アジア杯。後任の有力候補は現在U-23、U-20女子代表監督を兼務する高倉麻子氏だ。1996年アトランタ五輪に出場した元なでしこ戦士は、攻撃的スタイルで2014年にU-17W杯で日本を世界一に導いた。
A代表の監督を務めるために必要なS級ライセンスも取得済み。昨年末には澤さんにも「その経験を伝えてもらいたいというアイデアはある」とラブコールを送るなど、積極的な世代交代を進める上でも適任者だ。今年11月のU-20W杯(パプアニューギニア)までは現チームで指揮を執る予定だが、日本協会内では初の女性監督の誕生を望む声が強い。戦術、選手選考、そして協会の強化方針。なでしこは手痛い失態を契機に、大胆な改革に迫られる。