レギュラーに鮮やかに滑り込む。緒方は福留の一番弟子として、一歩も引かないつもりだ。2年ぶり2度目の沖縄・宜野座キャンプが待ち遠しい。グイグイと前に出て、定位置を奪う。
「初っぱなからアピールしていきたい。今年はやらないといけない危機感がある。みんなより抜け出さないと厳しいので。1日から全力でやっていきます」
今年は初めて福留のハワイ自主トレにも参加した。この日は極寒の鳴尾浜でキャッチボール、外野ノックを行い、室内でも打撃練習。新監督へ猛アピールできる日を待ちわびている。
走攻守で、師のような超一流を目指す。緒方はプロ2年目の2014年から、ミズノ社製の「ハイスト」という超軽量スパイクを着用している。1枚の皮で作られているため、片足で約50グラム従来のものよりも軽い。耐久性に劣る面もあるため、普段は練習での使用は控える。阪神では緒方だけが使う究極の一品。この日はそのスパイクを履き、試合さながらに走り回った。
「打撃を一番アピールしたいですけど、走塁は0コンマ何秒の世界。タッチをくぐり抜けないといけないので」
14年にベースを踏み忘れ、懲罰交代された頼りない姿はもうない。金本政権のヨーイドンで、ロケットスタートを決める。(長友孝輔)
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