広島・前田健太投手(27)の米大リーグ、ドジャース移籍が正式に決まった。ドジャースと日本人選手のつながりは深く、1995年の野茂英雄投手に始まり石井一久投手、木田優夫投手、中村紀洋内野手、斎藤隆投手、黒田博樹投手がプレー。前田で7人目となった。
大リーグ12年間で7チームに在籍し日米通算で201勝を挙げた、メジャー移籍のパイオニアともいえる野茂英雄さん(47)に1月11日の「名球会ベースボールフェスティバル」(ヤフオクドーム)で話を聞く機会があった。
「きょうの試合とは関係ないのですが…」と記者が前置きした上で「ドジャース移籍が決まった前田投手へかける言葉はありますか?」と尋ねた。
試合で現役時代を思い出させてくれるトルネード投法を披露してくれた野茂さんは「(ドジャースは)選手もそろっていますし、それに加わって、シーズンを通して活躍することを願っています。チャンピオンリングをもらってくれれば僕もうれしい」と話してくれた。自身が移籍した95年と2016年の現在とは状況からして簡単に比べることはできない。それでも同じ大阪出身の右腕に温かい言葉を贈った。
野茂さんは08年に現役を引退したが、10年から2年連続で広島の春季キャンプの臨時コーチに就任。そこにはプロ4年目にしてその年に自身初の開幕投手を務めるなど頭角を現し始めた前田もいた。新旧のエースにはそんな縁があるのだ。先日の入団会見では野茂さんが活躍した当時のことを聞かれて前田は「(当時は)7歳。トルネード投法のまねをしていました」と笑った。
野茂がフォークでドジャースタジアムを歓喜させたように、2016年シーズン、前田にはスライダーで本拠地を沸かしてほしい。(玉木充)