フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ最終戦、NHK杯2日目が28日、長野市ビッグハットで行われ、前日の男子ショートプログラム(SP)で世界歴代最高を4・88点更新する106・33点を記録した羽生結弦(ANA)が、男子フリーでもノーミスの圧巻の演技で216・07点をマーク。SPと合わせ322・40点で史上初の300点台を叩き出し、優勝を決めた。
2位にはSP95・64点で高得点をマークした金博洋(中国)が合計266・43点をつけた。SPで自己ベストの88・29点で3位につけた無良崇人(洋菓子のヒロタ)が合計242・21点でそのまま3位を守りきった。
羽生は史上初の3連覇が懸かるGPファイナル(12月、バルセロナ)に進出した。
演技後のインタビューで羽生は「ありがとうございます。応援という大きな力をもらいました。このスコア、この演技はみなさんのおかげです」と会場のファンに感謝。総合300点超に「いまだに信じられないです」と大興奮で、「スコアは本当にビックリしたんですけど、実際にここまでスケートカナダからNHK杯まで本当に血のにじむような、本当につらい練習をしてきた。まずその練習をさせてくださった僕の周りの方々、カナダのリンク、仙台のリンク、すべてに感謝したい」と感謝の言葉が続いた。「やってやるとは思っていた」と笑顔で明かすと、「自分自身、フリーを滑る前、ものすごく緊張していて、本当だったらいつもブライアン(コーチのブライアン・オーサー氏)と滑る前に話すことができるんですけど、話すこともできなくて。長野のオリンピックのあったリンクで、オリンピックのマークもある。自分自身にプレッシャーをかけ、『絶対王者だぞ』と言い聞かせながらやった」と自らを追い込んで臨んだことを告白した。