黒潮に乗って泳ぐ鰹のように、マウンドで躍動した。来季5年目の歳内が2回3奪三振で存在感を示し、第2の守護神候補に浮上した。
「真っすぐで見逃し三振も取れたし、スライダーがよかった分、直球が生きたと思う」
四回から紅組の2番手で登板。先頭の森越から見逃し三振を奪うと、二死からは小豆畑を空振り三振に仕留めた。続く五回は一死から北條を見逃し三振。奪った3三振の決め球はすべて外角低めの直球だった。今キャンプで取り組んでいるスライダーで追い込み、最後はアウトローにズバッと投げ込んだ。
指揮官が描く守護神育成構想の実現に向け、大きな収穫となった。金本監督は3点リードでセーブがつく場面でも呉昇桓を温存し、若手に抑えを任せる考えを持っている。今季、歳内は自己最多の29試合に登板。5年目の来季はさらなる飛躍に期待がかかる。この日はバッテリーを組んだ梅野と「九回をイメージしてやろう」と話し、クローザーでの登板を想定。きっちりと無失点で抑え、第2の守護神としての適性があることを示した。
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