来季も同じ失敗を繰り返すわけにはいかない。激しい雨音が響く安芸ドーム。金本監督が不在の中、高代ヘッドコーチが特別練習を課した。
「普段、秋(キャンプ)では行わないメニューだけど」
そう言いながら行ったのは、本盗阻止のサインプレー。今季の虎が、嫌と言うほど辛酸をなめさせられた『魔の一、三塁』だった。
「同じことをやられたらあかんのでね。若い選手もいるし、春(キャンプ)で上(1軍)に抜てきされても戸惑いがないように、今のうちにやっておかないと」
一、三塁に走者を置き、投手役を務めた浜中打撃コーチの投球と同時に、一走がスタート。捕手は三走の動きを見ながら二塁に送球する。三走がスタートを切った場合は二塁手か遊撃手がカットし、本塁へ返球。投手カットの場合や、捕手が三塁へ投げるケースも。そんな基本的な動きの確認を、約20分間にわたって反復練習したのには、明確な理由がある。
一、三塁で、本盗や重盗によって1点を奪う。年に一度あるかないかという作戦だが、これを今季の阪神は実に3度も、広島にやられた。その3試合すべてに敗れ、対カープは8勝15敗2分けと大きく負け越した。
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