伊藤にとってなめられないことが最重要。すでに大人顔負けに強く、手を抜かれては練習にならなかったからだ。あえて相手のモチベーションを上げた。それでも天才少女は強かった。リュックサックにどっさり戦利品を入れて帰ってくる度、美乃りさんは謝りに行くハメになったという。
(3)中学校は月3日しか通えず「どう人間教育するかが課題」
伊藤は中学進学を機に大阪市内で生活を始め、「関西卓球アカデミー」、東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)、海外開催の試合出場と、多忙な日々を過ごす。
リオ、そして東京へ続く道を歩む娘について、母は「時と場合の伝え方はあると思いますが、おかしいことはおかしいといえる選手になってほしい」と話す。
十人十色の卓球の世界だ。型にはまらず、勝利を重ねるために選んだ現在の進路に、その思いは表れている。
トレセンでの練習はもちろん、次戦を見据えたタイプの練習相手を探して依頼したり、大学に出稽古に出たり…。
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