リレーで中谷、荒木、江越、梅野(左から)が激走。江越は勢いあまってずっこけ(撮影・安部光翁) 阪神1軍秋季キャンプ(2日、安芸タイガース球場)地獄のリレーだ!! 阪神・金本知憲監督(47)がメーングラウンドで野手陣にリレー競争を命じた。新井、上本、大和、伊藤隼をリーダーに指名し、4人1組によるチーム対抗リレーを開催。1周約200メートルのコースを2レース、計5本走り抜いた選手たちは息も絶え絶えでバテバテ。競争形式でとことん選手を追い込んでいく。
安芸タイガース球場で突然、秋の運動会が始まった。外野の芝生の上に楕円状にマーカーが置かれて、1周200メートルのトラックが完成。4組に分かれた猛虎リレー競争。スタートラインに立った金本監督がノックバットを使って「ヨーイ・ドン!!」。大号令とともに選手たちは芝生の上を猛ダッシュだ。終わった瞬間、選手は悶絶、次々とグラウンドに倒れ込んだ。
レース後、岡崎が「酸欠と乳酸がたまって太股からヘンなものが出て来そうです」と話せば、今成も「吐きそうでした」とポツリ。大いに盛り上がった分、ハードだった。
リーダーに指名された新井、上本、大和、伊藤隼がドラフト制でそれぞれ選手を選んでいき、4チームを構成。1人の選手が1周200メートルごとにバトンをつなぎ、1人3周する200メートル×3回×4人の2400メートルリレー。途中から引き離したチーム大和が優勝したが、これで終わりではなかった。ぐったりと倒れ込む選手を起き上がらせて、リレーのおかわり。若干のメンバー交代の後、1人の選手が1周200メートルごとバトンをつなぐ200メートル×2回×4人の1600メートルリレーだ。
2レース目はアンカーで逃げる小豆畑と追う江越で大熱戦。小豆畑が逃げ切り、上本チームが雪辱を晴らした。殊勲の小豆畑は「足は速くないですけど、体力はまあまあなので」と話した。
ヤジを交えつつ、リレーを盛り上げた金本監督は「同じ距離でもあれだけ真剣に競争となると本能が出るもの。酸欠になるぐらいのね。俺も経験あるけど、あれ、本当にキツイから」と説明した。続けて「やっている選手は楽しくないんだろうけど…。みている俺らが楽しいだけかも」と含み笑いだ。
厳しく楽しくがモットー。選手には厳しく、見ているファンは楽しく、メリハリをつけて選手を鍛え上げる。 (柏村翔)
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