日本オープン選手権第2日(16日、兵庫・六甲国際GC東C=7394ヤード、パー72)35位から出た小平智(26)=Admiral=が11バーディー、1ボギーの62で回り、通算11アンダーの単独首位に浮上。日本オープンにおける最多アンダーパー記録&最少ストロークタイ記録となる猛チャージで、一気にV戦線の主役に躍り出た。7月の「日本アマ」を史上最年少で制した17歳の金谷拓実(広島国際学院高2年)が66で回り、2打差の2位。連覇を狙う池田勇太(29)=日清食品=は3打差の3位につけた。
アマチュアに負けられない。プロの誇りに火がついた。小平がジャンボ超えの記録的チャージで首位に躍り出た。
「15番で金谷君に1打ビハインドになって、負けられないと思った。(最多アンダーパーは)ジャンボさんの記録だったので、すごくうれしい」
1番から4連続バーディーで前半「29」をマーク。ハイライトは15番でボギーをたたき、同組の金谷に首位を譲った後。16番で残り110ヤードの第2打を左1・5メートルにつけ、首位に再浮上。続く17番(パー3)はグリーン奥からチップインバーディーを奪い、最終18番は、残り205ヤードの第2打を5Iで奥1メートルへピタリ。怒涛の3連続バーディーで締めくくった。
10アンダーの62は記録が残る1985年以降で最多アンダーパー。さらにパー72の設定では最少ストロークで、92年大会(茨城・龍ケ崎CC)で尾崎将司が記録した8アンダーの64を、2打更新した。例年、厳しいセッティングで知られる日本オープンだが、今年はさほどタイトではない。それでも、驚きの数字が並んだ。
何より、あこがれのジャンボ超えがうれしかった。今年4月の開幕戦「東建ホームメイトカップ」で尾崎と初めて回った。「飛距離で(若手に)勝ってやろう」という闘争心に感銘を受けた。
2カ月前、知人を通じ、脳神経外科医の日大・林成之教授を知った。著書『〈勝負脳〉の鍛え方』を読んで興味が増し、今では教えを請うまでに。「マイナスなことは考えない。海外で日本人がビッグスコアを出せないのは、どこかで守るから」。脳トレの成果で攻めの姿勢を貫き、バーディーを量産した。
「歴代優勝者はすごい方ばかり。そこに僕も名前を刻みたい。勝てばワールドランクを上げられるし、(来年の)全英オープンに出られるので、優勝を意識していく」
交際中のプロゴルファー・古閑美保(33)は、前日15日まで現地で応援。バーディーラッシュは1日遅れも、優勝でほれ直させる。 (高瀬悟嗣)
◎…小平がアウト9ホールで、7アンダーの29ストロークを記録。85年以降の日本オープンでハーフ29は、87年大会のグラハム・マーシュ(インのパー36で7アンダー)、89年大会の出口栄太郎(アウトのパー35で6アンダー)に続き、26年ぶり3人目。
◎…アマチュアの金谷が、通算9アンダーの2位で予選を通過。日本オープンでのアマチュアの2位通過は過去最高タイで、2005年大会の額賀辰徳、06年大会の金庚泰、W・J・リーに続き4人目。
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