残り42試合-。大混戦のセ・リーグも、ポツリポツリと脱落球団が出始めた。そんななか、首位阪神の貯金は今季最多の「4」。2位ヤクルト、3位巨人との1・5差をさらに広げるべく、和田監督がムチを入れた。
「一戦一戦なんでね。(相手先発が)誰がこようと、もうそんなに何回も、これ以降は当たるわけじゃないから。今までやられた投手を経験(にする)というか、対戦の情報とか、そういうものを照らし合わせながら、一発勝負でやっていかないと」
羽田空港の出発ロビーで力強い言葉を発した。一発勝負-。まるで、いま激闘を繰り広げている高校野球のトーナメントのような気持ちで、勝利をもぎとるつもりだ。
11日から始まる最下位中日との3連戦。目下、対戦3連勝中で、ここまで10勝7敗と勝ち越しているとはいえ、もちろん侮れない。雄太、バルデス、大野と左腕トリオとの激突が濃厚だからだ。
左肘痛から復帰する2戦目のバルデスとは、5月6日の甲子園以来の対戦。代打・新井のソロから最後は再び良太のサヨナラ打で勝った試合だったが、九回二死まで1点に抑えられていた。今季3試合で1度も土をつけていない。3戦目のエース大野には3勝を献上し、対戦防御率0・56。相性は最悪…。だが過去は過去だ。目の前の試合にのみ、集中する。