マートンは七回、ダメ押しの適時二塁打を放つ。このカード9安打の大暴れだった(撮影・中島信生) (セ・リーグ、広島2-8阪神、14回戦、広島7勝6敗、6日、マツダ)鋭い打球は、左越えとなった。ダメ押しの7点目は阪神・マートンがたたき出した。完全復調を告げる2試合連続猛打賞、このカード9安打の大暴れとなった。
「とにかくチームが勝てた。それが一番、よかったよ」
4-2の七回、ゴメスの2点二塁打で4点差に広げた直後、呼応するようにM砲が3番手・一岡に襲いかかった。カウント2-1から内角高めのフォークを振り切った。二走が悠々とホームインする、適時二塁打。ダメ押しに次ぐダメ押しで、試合を決定付けた。
2点リードの三回二死一塁では先発・薮田から中前打。好機を拡大して今成のタイムリーを呼び込んだ。九回二死一塁でも三遊間を破る左前打を放つと、続く代打・狩野が8点目の適時右前打。3安打はすべて得点にからみ、猛攻8点の原動力となった。
今季は交流戦が終了するまで打率・243と低迷していたが、ここに来て急激に復調。リーグ戦再開後は打率・357。最近6試合は打率・500(26打数13安打)と驚異の数字を残している。
頼もしさを取り戻した背番号「9」に、和田監督も「これがマートン。やっとマートンらしくというか、驚くことはないのでね。調子がよければこれくらい打ってくれる選手。続けてほしい」と目を細めた。
来日6年目のマートンにとっても『8・6』は特別だった。午前中に平和記念公園を訪問。平和記念資料館に足を運び、式典も見学した。「関わったのが自分の(出身の)国と、今いる国というのは、複雑な思いがあった。世界の平和を強く祈りたいと思いました」と神妙な面持ちだった。
「特別な日だけど、どんな状況でもベストを尽くすのは変わらないよ」
M砲が猛打賞を記録すればチームは今季9戦全勝。遅ればせながら、ここからエンジン全開。巨人をつかまえて再び首位に立ち優勝するその日まで、打って打って打ちまくる。 (山口大輝)
◎…マートンの2戦連続猛打賞は昨年7月5日のDeNA戦(横浜)-同8日の広島戦(甲子園)の3試合連続以来。自身最長は13年9月18日の広島戦(マツダ)-同21日のヤクルト戦(甲子園)の4試合連続
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