セ・パ交流戦がまもなく終了というところで、阪神の呉昇桓投手はパ・リーグとの対戦を自虐的に振り返った。
「今年の交流戦は角中選手のホームランしか記憶に残らなかったね」
6月2日のロッテ戦(甲子園)で九回二死から走者をためて、角中に逆転満塁本塁打。絶対的ストッパーにとって、まさかの結末は衝撃が大きかったようだ。ただ、記憶に残ったのはそれだけ。裏を返せば、それ以外は平穏だったということだ。
交流戦は10試合に登板して2勝1敗5セーブ。失点は「4」。つまり、満塁弾以外は完璧だった。来日1年目の昨季は、この時期に苦戦した。6度の救援失敗の半分が交流戦だったが、パの打者たちにリベンジを果たしたといえる。
「交流戦に特別な意識はなくて、シーズンの一部としか思わない。去年のことは覚えていないけど、成績が悪いのなら何かあったんでしょう」
昨季を踏まえて対策を立てることはなかったという。理由は自身にある。開幕前に「コンディションがよくなかった」と、漏らしたことがあった。5、6月は最初に疲れが目立ち始める時期。右腕もそこで苦しい姿を見せてしまった。昨季は39セーブを挙げながら、本人にとっては調整失敗。体重が減った状態で来日した。そこで、今季はオフに体脂肪を下げて筋力アップ。昨年よりも4キロほど重い体重97キロで開幕したことで、最初の難関を乗り越えた。
交流戦は、取り組みが成功したことを証明する期間だったのではないだろうか。特に6月11日のソフトバンク戦(ヤフオクD)は2回6奪三振。ライバルで、昨年は安打を許した李大浩からも直球で空振り三振を奪った。その李から「気をつけて帰ってね」とメールが届いたことに笑っていたが、その表情に疲労はいっさいなかった。
今後に不安はない。昨季も夏場以降の存在感は絶対的だったように、コンディションニングが軌道に乗れば無敵だ。現在、セ・リーグは首位から6位まで4・5ゲーム差。どのチームも不安要素を抱えて戦っているからこそ、勝ちパターンでの取りこぼしは避けたい。リーグ戦再開後も、信頼できるクローザーの存在は大きいはずだ。(阪神担当・安藤理)