1軍に合流し、打撃練習した中谷。昇格即スタメンのチャンスをものにする(撮影・安部光翁) 中谷、起爆せよ!! 阪神・和田豊監督(52)が7日、8日からの広島戦(甲子園)で、今季初昇格する5年目の中谷将大外野手(22)をスタメン起用する方針を明かした。チーム打率が12球団ワースト(・231)のなか、ウエスタン・リーグ首位打者(打率・303)の未完の大器を抜てき。若虎のバットで、借金「2」の5位から浮上する!
視線の先には、快音を響かせる未完の大器の姿があった。今季初の1軍昇格を果たした中谷だ。打線がなかなかつながらないなか、和田監督が得点力不足解消の起爆剤に、5年目の若虎を指名した。
「(スタメンで)使ってみたいから上げたんやから。チャンスは間違いなくある」
最下位・広島を甲子園に迎え撃つ8日からの3連戦。指揮官はいきなりのスタメン起用を示唆した。
今季は開幕から打順での試行錯誤を繰り返してきた。鳥谷、上本、西岡の1~3番のシャッフルに始まり、福留とマートンの5、6番も入れ替えた。特に、大和、江越、俊介、伊藤隼が務めてきた「7番・中堅」は固定できていない。「福留がよくて、マートンも少しずつ上がってきているから、7番が非常に大事になってくる」と和田監督。新兵器として中谷に期待を寄せた。今季、チーム打率・231は12球団ワーストだが、中谷はウエスタン首位打者の打率・303。打線を活性化させるにはうってつけだ。
甲子園での指名練習ではフリー打撃で54スイング中4本のサク越え。パワーだけでなく、右方向にも鋭い打球を飛ばし、虎将は「ファームで数字を残しているだけのバッティングをしているね。プロに入って一番いい状態で上がってきているんじゃないかな」とうなずいた。2軍は休日だったが、古屋2軍監督がわざわざ私服姿で視察。首脳陣からの期待の高さの表れだ。
入団当初から有望視されていた。だが、1軍出場は2012年の6試合のみ。10打数無安打4三振と結果を残せていない。同世代の山田(ヤクルト)や駿太(オリックス)らが次々と1軍で活躍。今季、春季キャンプは1軍で過ごしたものの、開幕1軍入りはルーキーの江越に奪われた。「いい刺激になった」と中谷。悔しさをバネにコツコツと練習に励んできた。和田監督も「バッティングを見ていると、今までより変化があるね」と成長を認めている。
登録抹消された黒田の代役として8日先発する広島・戸田とは好相性だ。ウエスタンで6勝0敗の4年目左腕だが、今季の2軍での対戦は4打数3安打。通算では32打数15安打で打率・469、1本塁打と打ちまくっている。3年ぶりの1軍での試合となるが、お得意様相手に自信を持って打席に入れるはずだ。
「1軍でのチャンスはこれで最後だと思う。そういう気持ちでやる」
決死の覚悟で臨む運命の広島戦。借金2のチームも3連勝すれば、一気に貯金が作れる。眠れる打線を目覚めさせてみせる。(白石大地)
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