大野は広島・前田やヤンキース・田中と同じ1988年生まれだ。「88年会」結成に向けて動き始めていた頃、記者は広島担当をしていた。大野から「話を聞いてないです。(幹事の)マエケンに、ちゃんと誘ってと伝えてください」と、頼まれたのを思い出す。
どちらかというと、脇役の野球人生。05年に京都外大西高で甲子園準優勝を果たしたが、控え投手だった。ドラフト1位でも、日本ハム・斎藤や西武・大石の陰に隠れた。ところが、一歩ずつ成績を伸ばし、いまや竜の次期エース。このまま世代の主役まで駆け上がるのを期待したい。「まだすごい選手はたくさんいるから、常に上を見ないと。自分は一気に成長できないけど、『追いつけ、追い越せ』で頑張ります」。そんな大野くん。大学3年のときに「めっちゃ阪神ファンです」と、翌年の阪神入団を夢見ていたのが懐かしい。いまはどうなの?
「元ファンです」
子どもっぽい笑顔は相変わらずだが、15日の試合で洗礼を浴びたという。1-0を守っていた八回途中で、追い付かれて惜しくも交代した。阪神ファンは、相手投手の降板時に「蛍の光」を合唱するのが恒例だ。「初めてやられたんです。めっちゃショックでした。『僕、阪神嫌いじゃないのに…』って」と、苦笑い。虎ファンのみなさん、元同士です。お手柔らかに!(安藤理)
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