内に秘めたる闘志。その目には、ようやく巡ってきたチャンスを絶対にものにするという決意がにじんでいた。1軍昇格が決まった伊藤隼が14日の中日戦(ナゴヤD)に向けて、荷物整理のために鳴尾浜を訪れ、自身の開幕戦へ向けて強気に言い放った。
「(状態が)いいときに上げてもらえたと思います。チャンスがあれば、自分のプレースタイルのアグレッシブさを出していきたい」
調子の良さは自分が一番わかっている。ウエスタン・リーグではリーグトップの8打点を記録。打率・200もBCリーグ、富山、福井との育成試合を含む最近5試合に限れば、17打数9安打4打点1本塁打で、打率・529と当たりに当たっている。
「キャンプ終盤からオープン戦にかけて打撃の状態はよくなかった。試合に出ていくなかで調子をあげてこれました」
昨季は自身最多の52試合に出場し、打率も・294とキャリアハイ。当然、4年目となる今季もさらなる飛躍が期待された。キャンプも1軍・宜野座でスタートを切ったが、アピールしきれず。結局、オープン戦で7打数1安打。開幕を待たずして、2軍に落ちた。
現在、1軍は代打候補が関本、新井、狩野…と右打者がズラリ。左は今成が右脇腹痛で2軍落ちしており手薄で、出番は多そうだ。
「与えられた場面、ポジションでやるだけ。求められることはその場、その場で違う。やれることはやったので、実戦で出すだけです」とクールに話した。課題の外野守備もファームで中村2軍外野守備コーチのノックを受け続けた。牙は研いだ。かつてのドラフト1位が1軍の舞台で大暴れする。 (山口大輝)
★今季の伊藤隼
1月は慶大の先輩、高橋由(巨人)らと沖縄で自主トレ。キャンプインは1軍沖縄宜野座で迎えた。2月21日のDeNAとのオープン戦(宜野湾)では九回に代打で国吉から2ランを放ったが、打率は上がらず、2軍降格。3月17日にソフトバンクとのウエスタン開幕戦(雁の巣)で「4番・右翼」で先発出場し、七回、五十嵐から右越えソロ。今季ウエスタンでは12試合に出場し、打率・200(45打数9安打)、1本塁打、8打点。
この記事をシェアする