(セ・リーグ、阪神3-8DeNA、1回戦、DeNA1勝、7日、甲子園)聖地が泣いている-。 阪神は、甲子園開幕となるDeNA戦で、17被安打8失点の惨敗。先発した能見篤史投手(35)が5回7安打5失点で、中継ぎ陣も打たれるわ、打たれるわ…。3連敗で貯金もゼロになった。10年ぶりのリーグVを狙う球団創設80周年の節目に、こんな試合をしてたらアカンで!!
イニングを重ねるごとに黄色い帽子のファンが少なくなっていく。気温9度と冷え込む中、こんな甲子園開幕は見たくなかった。出る投手がことごとく打たれ、終わってみせば今季ワーストの17被安打。なんといっても、先発・能見が誤算だった。和田監督は左のエースに苦言を呈した。
「確かに野手が足を引っ張ったけど、踏ん張りきれんかったな。まっすぐが走らないのと、変化球がいつもより高いわな」
本調子からほど遠い内容だった。甲子園開幕戦で2010年から4戦4勝をマークしたその面影はなかった。初回、先頭の石川に右前打を許すと、一死一、二塁から4番・筒香にスライダーを右前に運ばれて早々と失点。二回は無死一塁で8番・黒羽根の犠打をゴメスが悪送球。ピンチが広がると、1番・石川、3番・梶谷、そして筒香と左打者3人に痛打された。二回を終わって5点ビハインド。試合はほぼ決してしまった。
ゴメスの失策が原因となったが、カードの頭を任される投手なら、自力で悪い流れを断ち切ってほしかった。5回7安打4失点で黒星を喫した前回3月31日のヤクルト戦(神宮)では対左打者に被打率・571。この日も8打数6安打を喫した。本来、左投手は左打者に強いはず。だが、今季の能見はその左に打ち込まれている。中西投手コーチは「まっすぐが低めに決まらないから変化球が生きない」と指摘。「寒さは関係ない。全然です」と能見。早くも今季2敗目となった。
球団創設80周年のメモリアルイヤー。この日は1969年、78年の2度、阪神監督を務めた後藤次男氏(91)が始球式を行うなど華やかなムードに包まれた。入場券はもちろん前売りで完売。4万6026人のファンは、過去10年間で10戦7勝2敗1分けだった甲子園開幕戦での白星を信じて疑わなかった。だが、いきなり裏ローテのエース左腕が崩れると、最後まで悪い流れは止まらなかった。六回以降、金田、島本、福原、高宮の4投手が1イニングずつ登板したが、無失点に抑えたのは八回の福原だけ。スタンドからは何度もタメ息が漏れた。
中日との開幕カード(京セラD)で3連勝したが、3連敗で貯金をすべて使い果たした。「5割になってここから出直しか」の問いに、指揮官は「その通り」と即答した。
「なんとか先発投手が粘って、打つ方もなるべく早めに取ってやらんとな」
ファンの期待を裏切る形となったが、戦いは始まったばかり。歓喜のゴールへ、こんな試合はもう見たくない。 (白石大地)